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摩天楼はバラ色に(ニューヨーク②)

2023/07/23

当日は、羽田空港からデトロイト空港を経由しニュージャージーの空港へ向かい、
そこからタクシーでニューヨークのマンハッタンに到着する予定である。

デトロイト空港では、たまたま空港の通路から、
飛行機間で行われる荷物の積み替え作業を
見ることができた。

「米国では飛行機の荷物が届かない」などとネットの噂で
聞いていたため、面白半分でしばらくその光景を眺めていた。

大きな黒人の女性が、コンテナから荷物を出し
それをベルトコンベアに乗せる作業をしている。

作業を眺めていて数分経った頃、
偶然僕の荷物がそのコンテナから
引っ張り出されるのを見た。

海外旅行慣れしていない僕の荷物は異常に小さく、
日本の国内旅行でも3泊程度の荷物しか入らないであろう
大きさのスーツケースである。

その荷物を、大きな黒人女性は軽々と持ち上げ、
ベルトコンベアに乗せる。
と、思いきやおもむろに地面に、置いた。
いや「置いた」というより「放り投げた」
といった感じに近い。

それを目撃し、僕はその場を離れることができなくなった。
当然ではあるが、僕の荷物が無事に次の空港まで運ばれるか不安になったためである。

僕の荷物は地面に放置されたまま、次々と新しい荷物が
コンテナから引っ張り出され、コンベアに乗せられている。

それから10分くらい経っただろうか。依然として、僕の荷物は
地面に置かれたままである。

時々作業の邪魔になるようで、
つま先で小突かれたりなどしている。

なんだか、僕のスーツケースが生き物であるかのように感じ、
可哀そうに思えてくるから、不思議だ。

やがて、その黒人女性は、コンテナにある荷物の最後の一つを
コンベアに乗せると、おもむろに僕の荷物を取り上げ、コンベアに置いた。

おそらく、積み荷の配置の関係で最後になったのだろうが、
僕の荷物が放置されている間、ずっとネットの噂が頭を離れなかった。

しかし、不思議なことに「ああ、アメリカに来たんだな」
と愉快な気持ちになったのも事実である。

つづく